大宮南支部2025年12月例会
12月17日(水)、大宮南支部12月例会では、野村総合コンサルティング代表・野村康次郎氏を報告者に迎え、「あなたはまだ人を雇うつもりですか?~人材不足が続く未来の解決方法がここにある。生成AIエージェントが会社を動かす時代へ~」をテーマに報告が行われた。
冒頭、野村氏は「「AIは流行でも道具でもない、これまでの経営の『人が働く』という前提そのものが変わる"パラダイムシフト"という点である」と語りました。電話が登場したとき、それは「便利な道具」ではなく「距離の概念を変えた」ように、AIもまた「働き方の常識を書き換える存在」になるという事です。
従来の経営が「人をどう集め、どう育て、どう働いてもらうか」を中心に組み立てられてきたのに対し、これからは「人がやるべきことは何か」「AIに任せるべきことは何か」を前提に経営労働委員会の労使見解「人を生かす経営」に加えて、今こそ「AIを活かす経営」を加えるべきではないかという主張です。


人材育成についても、「教育」や「経験」を積み重ねる従来型モデルから、「AIを使いこなす前提」で人と組織を考える時代へと移行していることが語られた。
人を育てる経営、人を生かす経営に加え、「AIを活かす経営」が同時に求められるという視点は、多くの参加者にとって新鮮な気づきとなった。
具体例としてある金属加工業の事例をYouTube動画で紹介された。生成AIエージェントを活用することで、情報整理・判断補助・業務の標準化が進み、「人が増えないこと=成長できない」という従来の常識を覆しつつあるという内容であった。
今回の例会のゴールとして示されたのは、
・AIを雇用するという発想を持つこと
・社内データを蓄積し、活用の根源とすること
・明日から踏み出せる“最初の一歩”を明確にすること
であった。
特に印象的だったのは、「天秤AIという無料のAIを比較して使う”ためのサービス」があるので先ずは使ってみてという助言である。
完璧な導入計画や全社展開を考える前に、まず触り、試し、失敗する。その経験こそが、AI時代の経営者に必要な感覚だという言葉には、会場からも深い納得感が漂っていた。
後半では、日本の製造業や中小企業が持つ「暗黙知」や「職人技」にも話が及んだ。言語化されてこなかった技能や感覚を、AIを活用してマニュアル化・明文化していくことが、これからの競争力につながるという指摘は、多くの会員の実体験とも重なったのではないだろうか。またグループ討論では個人情報リスクを懸念する声が多くありtったが野村氏は、「経営者はAIをリスクがあるから触らない、ではなくリスクは自ら確認検証した上で経営活用を検討すべき」を主張しました。
人がいないからAIを使うのではなく、
AIがある前提で、人はどこに力を注ぐべきかを考える。
今回の報告は、「人を雇うかどうか」という問いを入り口にしながら、経営者自身の思考の枠組みを問い直す時間であった。
AIに任せること、人が担うこと、その線引きを経営者自身が考え続けることの重要性を、強く実感させられる例会となった。

益山道守 記 (作成にあたりChatGPTを活用)

