大宮南支部 2024年7月例会

2024年7月17日(水)、18日(木)に15年ぶりとなる1泊2日の埼玉同友会大宮南支部7月例会を開催いたしました。

「東日本大震災から13年。いま、私たちができること。」をテーマに、1日目は福島県内の震災機構を訪問し、2日目は福島県同友会員の企業訪問をさせていただきました。

15年ぶりとなる1泊2日のバス例会を平日に実施するということもあり、当初は実施できるのかどうかの不安もありましたが、日帰りプランや2日目から参加プランなど参加の流動性を持たせたことにより、総勢25名の方に参加いただける例会となりました。

バス一行は出発地点である大宮から福島県に向かうのですが、道中約4時間もの時間があるため、移動時間を活用して自己紹介を行って親睦を深める時間を設けました。

また、自己紹介の際に2つテーマを設けて、お話しいただくことになりました。

テーマについては、

  1. 最近ハマっていること
  2. 震災当時なにをしていたか
    となり、参加者みんなのプライベートな一面を知るとともに、例会に対しての学びを深めるための有意義な共有時間を過ごすことができました。

    そんなこんなであっという間に最初の目的地である「震災機構 浪江町立請戸小学校」のある浪江町に到着したのですが、辺り一面の風景に衝撃を受けました。
    震災から13年という年月が経っているので、てっきり町は少しずつ昔の風景を取り戻していると思っていました。

    しかし現実は全く違い、人区画にまとめられた瓦礫や木くずを撤去している工事車両の数々、屋根を突き破って木が生え雑草に囲まれている民家、田園地帯であったはずの広大な野原。想像していなかった光景を目の当たりにし、自身の認識の甘さを痛感させられました。

    そんな面持ちの中、請戸小学校に到着しました。海が目の前にあり、福島原発から5km県内という場所に位置する請戸小学校。その震災の爪痕は今もなお色濃く、当時の過酷な状況が一瞬にして感じ取れるものとなっておりました。

    1階部分は津波に飲まれ跡形がなく、小学校という認識がなければ何の建物かもわからない形になっていました。


    校舎全体を活用して、当時どのようにして先生と学生が避難をしたのか、卒業生は震災後どのように過ごし関わっているのかなど、震災から今までを学ばせていただける施設でした。

    「いこいの村なみえ」にて昼食休憩を取った後、次の目的地である「東日本大震災・原子力災害伝承館」に伺いました。ここでは、地震・津波の後に起こった原発事故による災害の背景を学ばせていただきました。

    ここで驚きだったのは、地震や津波等による直接的な被害ではなく、その後の避難生活を続ける中で体調の悪化等により亡くなり、それが震災と関連があると認められる震災関連死の死者数の方が圧倒的に多いとのことです。

    震災当日はもちろん大変だったと思いますが、その後にも長く辛い戦いがあったことを多くの資料から学ばせていただくことができました。

    施設見学をした後は、被災者の方ご本人から語り部講和をしていただき、被災者だから伝えられる当時の生々しい状況をみんなで学ばせていただきました。

    この施設で一番印象に残っていることとして、カメラマンによる当時の状況を写真に収めた展示があります。

    奥様とお子様の亡骸の横で崩れ落ちて泣いている方、避難所でお孫様と再会して泣きながら抱き合っている方、行方不明となっているお子様お孫様の上履きとご自身の靴を並べて写真を残されている方。

    ニュースだけでは知りえない当時の一面を感じ取れる空間となっており、こういう事を我々も後世に伝えていかなければいけないと強く実感させていただきました。

    多くを学ばせていただいた1日目もあっという間に時間が過ぎ、福島駅にて途中合流の参加者を迎えた後、宿泊施設である「穴原温泉 匠のこころ吉川屋」に到着いたしました。

    しばしの休息を各々取った後に、懇親会を兼ねた夕食宴会を過ごしました。宴会の後は、卓球やカラオケ、部屋での談義を通して、参加者の交流を深める時間を過ごしました。普段の例会では見ることのできないパーソナルな一面を多分に知ることができ、より一層、横の繋がりが強固になるひと時となりました。

2日目は、福島同友会会員の「株式会社ナプロアース」さんに企業見学をさせていただきました。

震災に遭い本社が津波に流され、なにも残っていないところから再生した現場を視察させていただきました。

視察を終えた後は、会長である池本様による株式会社ナプロアース の軌跡を学ばせていただきました。

震災前は自らブラック企業だったと語るところから、同友会等の学びを通して理念浸透をした組織作りが大切だと感じ、一念発起して経営方針を転換したこと。やっと組織として形になってきた際に被災に遭い、会社は流れ、立ち入り禁止区域となり、社員の皆さまとは離れ離れになってしまったこと。そのまま会社をたたもうと考えていたけど、震災が理由で会社が無くなってしまうことはあまりにも悔しすぎると再起して会社を創造してきたこと。震災の際に受けた御恩を、今度はご自身たちが返す番だと社会貢献に尽力されていること。

経営者としてのこれまでの経験と苦難をありのままお伝えいただき、学ばせていただく場を作っていただきました。

報告の後は、会長を含めて昼食を取らせていただき、質疑応答についてもこの場で設けて、学びをより深く浸透させる時間を過ごしました。

有意義な時間もあっという間に過ぎ、帰路につく時間となりました。

帰りのバスの中でも、2日間の感想を一人ずつお話しいただき、この学びを通して今後われわれにできることを共有して分かち合いを行いました。

とても学びの時間が多い2日間となりましたが、大宮に着くまでの最後の時間を活用して、お酒を交わしながら最後の親睦を深める時間も過ごすことができました。

トラブル等もなく無事に大宮に到着し、安全運転してくださったドライバーさんに御礼を告げて現地解散となりました。

15年振りの宿泊を伴う例会、また私にとっては初めてのバス例会でしたが、改めて大宮南支部の良さを実感する、とても学びが多く楽しい2日間となりました。

良い学びを得たでは終わらせず、この学びをどう活かしどのように還元していくかをしっかりと考えながら、日々の日常を大切に過ごしていきたいと思います。
例会を企画してくださった小山支部長、斉藤委員長をはじめ仲間づくり委員会の皆さま、企画から当日の運営サポートまで本当にありがとうございました。



記事担当
鈴木インシュアランスオフィス
鈴木匡

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